2006年11月29日

「何も出会わなかった自分がダメなんだよ」

NHKの朝の番組で、アラーキーこと荒木経惟氏が出演していた。
何気なく見始めたのだが、荒木氏が何だかあまりにも楽しそうに話を
しているので、ついつい見てしまったのだ。

私にとって、荒木経惟氏のイメージは、過激なハダカの写真を撮る写真家、というものだったが、この番組での荒木氏は何となく違う雰囲気だ。

この荒木氏、ヒマさえあればどこへでも三脚を担いで、とにかく目に止まったものを撮りまくっているようで、ある日の密着映像でも、渋谷のスクランブル交差点だろうが(雑踏が好きだとも言っていた)路地裏のポストだろうがとにかく何でも撮りまくっている姿が映し出されていた。

で、その映像を見ては「ポストね〜、いいんだよね〜」とか
「この木がいいんだよね〜」とか満足そうに喋っている荒木氏。
映像を黙ってみているこちら側としては、一体何がそんなに気に入っているのか分からないくらいなのだが、荒木氏があまりにも楽しそうなので、何となく私まで楽しくなってきていた。

面白いオジさまだ。
こういう人を、好々爺って言うんだろうな、と思いながら見ていた。

そんな荒木氏だが、最愛の奥様を20年ほど前に亡くされており、その奥様を
ずっと撮り続けていた写真集が紹介されていた。
この本には、新婚旅行中から、闘病中、亡くなる寸前の奥様の姿から、亡くなった後の生活をも淡々と撮り続けているものだった。

驚いたのが、闘病中の奥様が危篤となり、慌てて病院に行く道すがらに自分が駆け上がる石段まで撮影している。
こういうのを普通に見ると、「奥さんが危篤だっていうのに、こんな余裕が
あるの?」と思ってしまいそうになるが、荒木氏を見ているとその概念が
全く違っていることに気づく。

本人も言っていたが、「人間の前に写真家なんだろうな」と。


そして、冒頭の言葉。
最初も書いたが、カメラと三脚を担いで、何があろうとなかろうとひたすら街を歩き続ける荒木氏。


「こうやってるだけで、出会いがあるんだよ。気づくものがある。もちろん、何も気づかない時もある。そんな時はね、何も出会わなかった自分がダメなんだよ」(言葉は違うが、ニュアンスはこんな感じ)


思わず、最後の言葉をメモに取る。


すげえ。荒木経惟、スゴイ。カッコイイ!!!


過激な写真で何かと世間をにぎわせたことのある荒木氏だけど、きっとこの人にとっては街のポストや猫を撮るのも、女性のハダカを撮るのもそれほど変わりはないんだろうなあ。


私はあまり写真に興味はないけど、この荒木氏の写真をもっとちゃんと見たくなった。

それと、余談だが今まで私が見て気に入った写真家の写真は、ロバート・キャパ氏が撮った「アーネスト・ヘミングウェイと息子の写真」と「ピカソと女性との写真」だ。
この2枚とも、見ているだけで会話が聞こえてきそうなくらいイマジネーションが湧いてくる写真。

勝手な想像だが、荒木氏はそんな写真をたくさんたくさん撮っている人なのではないだろうか?


と、思ってみたり・・・。




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posted by うり at 08:55 | Comment(6) | TrackBack(0) | 今日の名言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前荒木さんの奥さんを撮った写真集見た事あるよ。
私もそれまでアラーキーはモデルとHしなが写真撮ったりしてる(汗)過激なオッちゃんカメラマンと思っていたけど、その奥さんの写真集ってすごく奥さんへの愛を感じたよ。

奥さんの死後撮っていた空ばっかりの写真もすごく良くて、本当に「写真家荒木」はカッコいいと思った。

でも・・。あの髪型はどうにかなんないのかなあ。(笑)
Posted by でこちゃん at 2006年11月30日 13:12
でしょー。
ちょっとそのギャップに驚きだわ。
写真へのあのコダワリもすごくよかった♪

髪型ね(笑)まあ、あれがあるから逆にイイのかもよ〜(^_^;)
Posted by うり at 2006年12月01日 16:18
 えーっ! アラーキーって、モデルと●しながら撮影してたんすかあー!
 ・・ そういや、今月号の「芸術新潮」(メインタイトル・そろそろ漆)で、漆特集とは関係ないんですが、今流行?のAV女優の撮影してました。女優は尼さん刈りにしてたけど・・
 これじゃ、子供に見せられん! 上品な漆の特集が台無しです!
 芸術新潮社に抗議メール送ろうかなと思ってます。上品な特集の後に●●な記事載せるな! でした。(ごめん、うりさん。また、爆発しました・・) 
Posted by ブーブブ at 2006年12月02日 20:55
なるほど〜。
芸術をその雑誌ではどうとらえているか?ですね(^_^;)
荒木氏も結局、そういうことを言ってたけど、確かに漆を全面に出しつつそりゃないわね↓
Posted by うり at 2006年12月03日 22:37
<うりさん

 意外な面、ギャップって何かイイですね。楳図かずおの『おろち』や『洗礼』などを読み、これを書いた人はどんな人なのか…と思っていたらテレビに出ていました。ストライプの服にパンチ?パーマ、カメラに向かって、「グワシ!」…ぴっくり。

 荒木さん、いい事お話になる方なんですね〜。相手の事を決めつけたりすると出会いは無くなっていくと思うけど、カテゴライズすれば気楽というのもあるかもしれない…けどそれは誠実ではないだろうし…(ちょっとループ)、よくいわれる「アンテナを磨いておく」という事かなぁと思いました。自戒をこめて。

<ブーブブさん

 なぜに尼さん刈り…それは問題ではないのですか(尼さんに申し訳なす)。
Posted by みけ at 2006年12月10日 17:01
そうですね、これはいい意味でのギャップでした(笑)
楳図かずおに関しては・・・確かに「まことちゃん」を知らなければ驚くでしょうねー(^_^;)

アンテナを磨いておく。そうですね、そうありたいと思っています。
Posted by うり at 2006年12月10日 23:54
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