2015年05月15日

愛は勝つの呪縛。(KAN)

KANと聞くと、あー愛は勝つの人ね。
一発屋ね。

と言う感想を残念ながら持っている人が多いと思う。

まあ、それは仕方がない。
実際、KANはそれで売れてしまったし、売れたからそう言う認識を
持たれているのだ。
一発屋と言われても、一発も花火を上げられない人の方が多いので
まあそれはそれで良しとしよう。

私がKANを初めて聴いたのは、多分20才前くらいだったと思う。
この「GIRL TO LOVE」だ。


てか、そもそもなんでこのアルバムを聴くことになったのか全く覚えていないが
とにかくこのアルバムをものすごく気に入った私は
既に発売されていたアルバムを追いかけて聴き始める。

当時、大江千里のファンでもあった私は、KANの書く詞の世界観やPOPS性に
大江千里的なものを感じていた。
このアルバムは時代背景もあってかもしれないが曲は打ち込み中心、KANの声も
デジタルっぽかったため『大江千里のデジタル版』とも思っていた。

KANの場合、歌詞も面白くて、ふざけてるのかと思いきや
真面目なのもあったりとその緩急がとてもユニークだ。

このアルバムは1988年6月に発売されている。
この年は、8cmCDシングルが発売され、音楽シーンではRCサクセション『COVERS』が発売中止
になったり、サザンが「みんなのうた」で活動を再開していたりした時期。
J-POPでは、光GENJIに並んでBOOWYが人気があった年だ。

私はあまのじゃくなので、BOOWYのような売れたバンドは興味なかったりした。
私にとってのBOOWYは、山下久美子と結婚した時に布袋さんが号泣してて、
こんな号泣する奴は信用ならんとTVの前で腕組みをしながら思ったことや
「NO NEWYORK」のPVが面白かった、「わがままジュリエット」の曲のPVに
少女が出てたことくらいのイメージしかない。

話を戻そう。そうそう、KANね。

そもそも、KANが売れてしまったのはとあるバラエティーで「愛は勝つ」という
曲がさんざん繰り返し使われたためだ。

嫌な予感はしていた。

ファンからすれば、「愛は勝つ」という曲はただのシングル曲でしかない。
KANには、アルバムの中のもっともっと繊細でユニークで可愛くていとおしい曲が
たくさんある。

だが、このままでは「愛は勝つ」=KANになってしまい、他の曲は見向きもされないのではないか。

結果、この曲は大ヒットとなり、「愛は勝つ」が収録されたアルバム
「野球選手が夢だった」も売れた。

そしてまた、皮肉なことにこのアルバムの他の曲がものすごくいいのだ。

でも、大体において、その時売れただけのアーティストのアルバムは、
ちょっと興味を持った人も買い、そしてすぐに手放されていくので
そのうち絶対にだぶついてくる。
そうに決まっている。

私は、KANのこのアルバムがブッコフとか中古ショップで
ずらっと並んでいる様子を想像し、ため息さえついたほどだ。

そして現在、KANは相変わらず、ひょうひょうとして音楽活動を続けている。
先日、妹に誘われて高松のライブに出かけてきたが、
私はこんなにもまだ「愛は勝つ」にこだわっているのに、
当のKANにとってはそんなこと忘れた記憶のようになっているんだなと
思った。

惜しむらくは、最後に「愛は勝つ」を歌ったこと。
私はこのライブでよくわかったのだ。
今でも、KANの固定客はたくさんいて、KANの曲を愛している人が
こんなにもいること。

男性ファンが意外と多く、中には子供を連れてきている人もいた。

「もう、大丈夫なんだな、KANは・・・」

と、私は誰にも求められてもいない安心感を勝手に感じていたりした。

だからこそ、「愛は勝つ」は不要だったのではないかと思う。
「愛は勝つ」がなくても、きっとKANのファンはがっかりしたりなんかしない。

と、妹に誘われるまでKANのことは特に頭になかった私が
ゲンキンにもこんなことを考えたりもした。

ここまで書いて気づいた。

そうか、愛は勝つにとらわれているのは、他でもない私なんだということを。
ごめんね、KAN。

でも、まだKANが好きというと、最初に書いたことを言われると思うのね。
なので、その時はやっぱり

「愛は勝つ」だけじゃない!
「リグレット」を聴け!
「けやき通り〜」を聴け!

と声を大にして言おう。

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posted by うり at 08:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | JPOPコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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